【改めて紹介。生まれ変わったヤングキャッスルにまつわる話】
今日FBを通じ多くの皆様に紹介させていただきました「ヤングキャッスル」。多くの皆様がリクエストに答えリアクションいただき本当にありがとうございます。※長文です、秋の夜長、時間のある時にでも。

カレーが名物だった先代のヤングキャッスルが閉店したのが、この春。それは突然のことで、僕の実の叔母さんである先代のオーナーさんが体調を崩さ入院するというのがその理由でした。
そこから「ひとが集う場所」として、これまでやってきた活動の次の一歩として、また地域づくりの拠点として僕が引き継ぐことが決まったのは夏頃。残念ながら先代の人気メニューだったカレーはありません。「自分たちは自分たちの道を見つけなさい、どうせ同じようにやっても同じにはならないから」というのがさっぱりとし過ぎる、男勝りの、竹で割ったような性格の叔母さんからの言葉でした。それにそもそも根本的に教えるつもりもないようでした。僕も子供の頃からそのカレーを食べて大人になったので、その味が消えてしまうことは残念ですが、まさに叔母さんのいうこともその通りだと思います。だから同じ名前で店が再開した今では、来店された方々からは「えー、そうなんですか…」という反応とともに「カレーが食べたい」と言われてしまいます。でもどれだけ望んでいただいても、もうその同じ、そのカレーはありませんし、叔母さんももういません。

「変わったんだね」という良いのか悪いのかわからない言葉とともに、そうした新しい変化が受け入れにくいこともよく理解できます、それは良くても、悪くても。とは言え、やはり良くても悪くても、そうした変化そのものが、それ自体が毎日の中で、人の営みとともに、街の、日常の風景が変わっていくということなんだと思います。身内としてもいろんな意味でも変化の必然を迫られたこの場所にまつわる事実を受け入れていくしかない僕も残念でなりませんが、例えそうであっても自分たちなりに前進していくしかありません。例え匍匐(ほふく)全身みたいな速度であっても。やはり、よくも悪くもやはりこれからの風景を作っていくのも世代交代とともに僕らの役割でもあると思うからそうした変化に対する反応も受け止めることも役割のひとつなんだと。

そんなヤングキャッスルを僕は基本的には人の集う場所・コミュニティースペースだ、という考え方がベースにあります。もちろんひとが集う中で必要となる飲食サービスを忘れるつもりもありません。BUCYO COFFEEの筧さんにはこの飲食の部分の立ち上げで本当に多方面から支えていただいてます。ですから飲食スペースとしてもランチのパスタを中心としたシンプルなメニューですが食事やモーニングやお茶を楽しめます。

またお店を、あらゆる意味で日常的に支えてくれるのはDA MONDEを支えてくれるスタッフの女性陣です。皆さん現役の子育て世代ですので、時間的な拘束には限りがあります。また今しかない子供との大切な時間、家庭の時間を何より最優先に考えた上で、お店を支えていただいてもらってます。そういうこともあり、基本的な営業を平日・時間も9時〜16時とさせていただいてます。これは週末は家族との時間を大切にして欲しい、営業時間は子供生活に合わせたものとなっているからです。飲食業の観点で言えば従来型に添って考えると「もっと営業時間を伸ばして、もちろん週末も営業して」という考え方も理解できますし、そうしたお言葉をいただくこともあります。でも場所は支えてくれる人たちあっての場所ですし、今のお店に関わってくれる女性陣の魅力や才能の代わりになる人はそうそう見つかりません。何よりそうした魅力が前面に出て際立たないと面白くないし、こうしたユニークな場作りの醍醐味が失われてしいます。だからこそまずはその支えてくれる人たちが働きやすい環境を整えることが結果的にこうしたひとが集まる場所の魅力となって、働きやすい、やりがいといったモチベーションとともに、サービスを持続させていく原動力に繋がるのではと思えてなりません。ただひとが集う場所として「平日だと行けない」という声もいただておりますし、僕自身も週末の新城&奥三河のサイクリングのついでに、県民の森でトレイルランニングや登山の帰りに、または観光のついでにと、交流の場として多くの皆様を受け入れながら繋がりたいとも考えていますので、11月からは営業可能な土曜日は営業していく予定です(ただし週末営業の場合はよく月曜日を振替休日とさせていただきます)。

なんにせよ、ここに関わる人たちが、支える側であれ、利用する側であれ、主体的に自信をもって楽しそうに働いたり、生活したり、体現する人になる、そうなるように心がけることが、その先にいる誰かに「魅力的だな〜」と思わせたり「ここがいい(ここに住みたい、ここで働きたい、ここに関わりたい)」という「(新城/奥三河)らしさ」や「ここでなきゃ」という価値に繋がっていくんではないかと思います。それは他者に対してのPR以上に、自分なりの生活についての納得感や豊さ、主体性や価値観を育むというのはそういうことなのかもしれません。

僕なりにいろんなことを踏まえ、近い将来、人の暮らしや暮らし方に関わる価値観が大きくスライドしたり、ごそっとひっくり返ったりする新しい時代のターニングポイントがやってくるような気がしてなりません。もしかするとそれはこれまで重要と考えられていた価値観が大きく揺らいだり、根底から急に変化するようなことなのかもしれません。そんな中にあって「ひとがひとらしいとは?(暮らす、働く、どこで、何を?)」みたいなことが問われるポイントがやってくるような気がします。その時に少なくとも自分は自信を持って自分が大切に思うこと、価値を感じることを自分の中に養ったり、伝えらるように、ここでのありようを努力し続けなければと思っています。そうしたことに繋がる働き方や世代や価値観の違いを超えてひとが繋がる場がこんな地方の、こんな街の一角に生まれる(実現化)できるとしたらこんなダイナミックな面白い話はありませんしね。

全てはDA MONDEの活動からはじまったこうしたストーリーですが、これからやって来るであろう、不確実な未来のことはもはや誰にも知るよしもありません。けれどDA MONDEを通じて感じたこと、知ったこと、経験したことは過去の経験値として、紛れもない真実として学ぶことができます。多くの学びをもたらしてくれます。だからこそこうした新しい活動を通して挑戦し、その学んだこと答えをなんとか証明して行けたらと思います、ただその答えがどんなものかは知るよしもありません、なんせ未来のことなので。ただ、その答えが最初からどれだけ効果があるかや価値があるからではなく、そうした楽しんで挑戦する姿を、けして数が多いわけじゃないけど、これからを担う世代や、これまでこの街を育てた人たちに感じでもらったり、共感できる部分においては共有してもらうことの中に答えがありそうだということまではなんとなくわかりますし、そうであったのなら最高だなと感じています。

まぁ、シンプルに考えても、それがカレーはなくても「自分たちは自分たちの道を見つけなさい」と言って、何かを期待してくれた叔母さんやDA MONDEを応援し、支えてくださる皆さんへの答えになり得たら良いのにな…と、そんな風に感じる、そのヤングキャッスルでこんなことを綴る、秋の夜です。
長文にお付き合いくださりありがとうございました。
YoungCastle店主 有城辰徳